パールビズ(Pearl Biz)とは、「クールビズ(Cool Biz)」をもじり、「清潔感」や「まごころ」「誠意」というイメージをもつ真珠(Pearl)と、仕事や職業の意味を表す「ビジネス(Business)」の短縮形ビズ(Biz)をあわせた造語です。
この言葉には、宇和島地域の特産品である真珠製品を身につけることで、地元に対する愛着をもっていただくこと、また地域外の方々に対して真珠をアピールすることで、話題性やストーリー性をもたせて、ひとりひとりが「真珠の町宇和島」の「歩く広告塔」として活躍していただくことを期待する意味がこめられています。

2010年9月2日木曜日

日本書紀や魏志倭人伝にみる真珠のお話

パールビズ担当者です。
これまで「万葉集」や「古事記」で真珠がどのように紹介されていたのかを記事にしておりましたが、今回は「日本書紀」です。日本書紀は舎人親王らによってつくられた日本最古の正史(正式な国家の歴史書)とされており、時期でいいますと、神話の時代から持統天皇(645-703)の時代までが記載されています。ちなみに持統天皇は大海人皇子(のちの天武天皇)の皇后でした。

さて、その日本書紀では真珠は「如意珠」「あわびしらたま」などと表記されて、たびたび登場していますが、日本で真珠に関する記述で最も古いのは実は「魏志倭人伝」に記載されています。

(魏志倭人伝)
出眞珠靑玉其山有丹其木有豫樟櫪投檀鳥號楓香其竹篠桃支有薑橘椒荷不知以爲滋味有黑雉
(意味)
倭国には真珠と青玉を産出する。倭国の山には、丹(あかつち)がある。倭国の木には、ダン杼・豫樟・ホウ・櫪・投・僵・烏号・楓香がある。その竹には、篠・やだけ・桃支がある。薑(しょうが)・橘(たちばな。または、こみかん)・椒(さんしょう)・みょうがあるが、賞味することをしらない。また、倭国にはジ猿(おおざる)や黒雉(きじ)がいる。


というように、倭国(日本)にある風土や動植物の紹介についての記載に、倭国では真珠がとれることが記載されています。それと日本史の中でも重要な記載がこれですね。


(魏志倭人伝)
其年十二月詔書報倭女王曰制詔親魏倭王彌呼帯方太守劉夏遣使送汝大夫難升米次使都市牛利奉汝所獻男生口四人女生口六人班布二匹二丈以到汝所在踰遠乃遣使貢獻是汝之忠孝我甚哀汝今以汝爲親魏倭王假金印紫綬装封付帯方太守假授汝來使難升米牛利渉遠道路勤勞今以難升米爲率善中郎將牛利爲率善校尉假銀印靑綬引見勞賜遣還今以地交龍錦五匹地粟十張五十匹紺靑五十匹答汝所獻貢直又特賜汝紺地句文綿三匹細班華五張白絹五十匹金八兩五尺刀二口銅鏡百枚眞珠鉛丹各五十斤皆装封付難升米牛利還到録受悉可以示汝國中人使知國家哀汝故鄭重賜汝好物也

(意味)
その年(239年)の十二月、皇帝から倭の女王に詔が下された。「女王卑弥呼に詔を下す。帯方郡の太守の劉夏が、使者として卑弥呼が大夫の難升米と、副使の都市牛利(としごり)を派遣し、男の奴隷四人と女の奴隷六人と、斑文様の布二匹二丈献上するため、都へ到着させた。卑弥呼のいる倭国は遥か遠いところであるも関わらず、わざわざ使者を派遣して貢ぎ物を持ってこさせた。私は卑弥呼に好意をもった。そこで、卑弥呼に「親魏倭王」という称号をあたえ、金印紫綬を与えることとし、包装してから帯方郡の太守に託し、授けることとする。卑弥呼は、自国の民を教導し、中国の皇帝に忠誠をちかうよう、努めなさい。
また、使者の難升米と都市牛利は遠路はるばるよくここまで渡ってきた。そこで、難升米には率善中郎将、牛利には率善校尉という位を与え、銀印靑綬も与える。また二人と対面してから、労をねぎらった上で記念品を与え帰国させる。そこで、絹織物や織物などを与えて、卑弥呼の貢ぎ物に報いるとしよう。
そして、卑弥呼にはその他、綿織物や毛織物、白絹、金、刀、銅鏡百枚のほか、真珠と鉛丹を与えるとしよう。みな包装して、難升米、牛利に託しておく。
帰国したら、目録と照らし合わせて、国中の人に見せて、魏という国が卑弥呼の国(邪馬台国)に好意をもっていることを知らせるがよい。だからこそ、私は汝によい物ばかりを与えるのである。」



この記事は、邪馬台国の女王「卑弥呼」が使節を派遣して皇帝から「親魏倭王」という称号をもらった記事で、高校の日本史にも登場するところです。ここでは中国の皇帝が卑弥呼に対して朝貢の礼の品として「真珠」を渡しています。そしてそれらの品々が「よいもの」だと皇帝が言っているので中国においても「貴重品」であったことは言うまでもないのでしょう。

そういえば、邪馬台国がどこにあるかが日本史のミステリーとなっており、多くの学者を巻き込んだ論争となっていますが、たくさん真珠が発掘されている墳墓がでてくれば、そこが実は邪馬台国だったりして・・・と思ったりもします。

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